こんにちは!
けいです。
犬の平均寿命が14歳を超えた今、動物病院にもたくさんのシニア犬がやってきます。
元気いっぱいで食欲旺盛な子もいますが
一番多い悩みは
どうしたらいいでしょうか・・?
それに吐く回数が増えてきて・・
と、食に関する悩みです。
シニア犬の食に関するお話をしますね。
この記事をサクッとまとめると
【シニア犬が食べなくなる理由6つ】
①病気がある(心疾患・腎不全・消化器疾患・腫瘍など)
②歯や歯茎が痛い
③加齢によりエネルギー要求量が落ちる
④嚥下(えんげ:飲み込むこと)がうまくいかない
⑤関節や腰が痛くて食べる姿勢が辛い
⑥嗜好が変わる
【以上を踏まえて即実践!こんな工夫をしよう】
フードの形状を変えてみる
温める
風味をつけたりトッピングをする
一回に与える量を減らして食事の回数を増やす
食べやすい姿勢を保てるように工夫する
サプリメントや流動食リキッドを使う
シニア犬が食べなくなる原因6つ
シニア犬が食べなくなる主な原因は、以下の6つです。
あなたのワンちゃんにも当てはまる点はありませんか?
①病気がある(心疾患・腎不全・消化器疾患・腫瘍など)
犬は人の4倍~7倍のスピードで歳をとります。
見た目は元気でも、病気を抱えていて、
それが原因で食欲不振になっている可能性もあります。
まずは動物病院で血液検査やレントゲン、エコーなどしっかり検査をしてもらいましょう。
②歯や歯茎が痛い
噛み方や唾液の自浄作用により、
ある程度はきれいに保たれている口の中も
歯科ケアをしなければ年々歯石がたまって、歯周病になります。
特に犬は人間の5倍の速さで歯石がつくと言われており、
敗血症や心疾患・内臓疾患など全身に影響を及ぼします。
よだれが多くなったり、口臭が強くなる、顔を傾けて食べる
などの症状の他、歯周病が悪化すると歯の根元の膿が
眼の下あたりから出てくることがあります。
③加齢によりエネルギー要求量が落ちる
犬も年齢を重ねてくるにつれて、活動量が減ってきます。
それに伴って筋肉量も減るため、基礎代謝も低下します。
体重や体の状態の維持に必要な
エネルギー要求量(=ざっくりいうと必要なカロリーのこと)が少なくなります。
文献によると、若齢期に比べてシニア犬のエネルギー要求量は
20~30%低下するそうです。
④嚥下(のみこむこと)がうまくいかない
食べ物を飲み込むのは
舌が食べ物を咽頭に押す→軟口蓋が鼻腔を、喉頭蓋が喉頭をフタする→食道
という一連の動きで行われます。
舌も軟口蓋も筋肉なので、加齢とともに「飲み込む力」も弱ります。
また、年齢と共に消化能力が低下してきます。
⑤関節や腰が痛くて食べる姿勢がつらい
犬の体重は前に7割、後に3割くらいの割合で負重しています。
シニア犬になると、後肢の筋肉が先に落ちてきて
四肢でしっかり身体を支える姿勢を保つのが辛くなります。
「足元にいる犬が飼い主を見上げる仕草は人に置き換えると
スカイツリーを見上げるようなものだ」と
ドッグマッサージ教室で習いました。
確かに、触ってみるとほとんどのワンちゃんが、首の筋肉が凝っています。
シニア犬でなくても首にかかる負担って大きいですよね・・
⑥嗜好が変わる
加齢により味覚や嗅覚が低下するのが原因だと考えられますが
ただ単に嗜好が変わることも。
ちなみに、犬の味覚は甘味・塩味・酸味の3つです。
犬の味覚は人の12倍悪いと言われていますが、甘いものを好む傾向があります。
即実践!シニア犬の食に関する工夫
シニア犬は、そもそも抵抗力や体力の余力が少ないので
食欲がないからといって本人の食欲にまかせていると、どんどん弱ってきてしまいます。
ただし、嘔吐がある場合は無理に食べさせるとかえって悪化する場合がありますので
かかりつけの獣医さんによく相談してくださいね。
フードの形状を変えてみる(上記②と④に効果あり)
ヤギミルクやささみのゆで汁と混ぜるのもよい
ふやかしたフードを小さいお団子状にする
ドライフードをミキサーにかけて細かくして、液体にに混ぜてペースト状にする
缶詰やパウチなどウエットフードに変えてみる
手作り食であれば、すべてミキサーに入れてポタージュにする
思ったりしますが意外と効果ありですよ!
温める(上記⑥に効果あり)
人肌くらいに温めると低下した臭覚や味覚を刺激する
温めることで消化酵素の働きが良くなる効果あり
風味をつけたりトッピングをする(上記⑥に効果あり)
ドライフードを小分けにして鰹節パックなど匂いの強いものと一緒に保管する
ゆでたささみやさつまいも・かぼちゃなど低脂肪のものをトッピングする
甘酒(もちろんアルコールがないものです)をほんの少し混ぜる
一回に与える量を減らして食事の回数を増やす(上記④⑤に効果あり)
日の食事の回数を3回~4回に増やす
もともと犬は胃の入り口(噴門部)が広いのに
胃全体の大きさに比べて出口(幽門部)が狭く、
噴門と幽門が近いので吐きやすい構造なのです。
消化機能が低下しているシニア犬は、食道炎や誤嚥を防ぐために
「吐かせない」様に心がけましょう。
食べやすい姿勢を保てるように工夫する(上記⑤に効果あり)
食器を台の上にのせて、首が下がらないようにする
足(特に後肢)が滑らないようにマットを引く
身体を支えるクッションを利用して楽に食べれるようにする
わたしはこれを使っています。高さが調整出来て便利!
マットは色々試して、スタイリッシュでずれないこのメーカーのマットが気に入っています。
滑り防止の他、粗相をすることがあるので
汚れたとこだけ洗えるタイルカーペットでないと発狂するかも・・。
サプリメントや流動食のリキッドを使う(上記③に効果あり)
クリティカルリキッドや高栄養リキッドなどの動物用流動食を併用する
シニア犬は筋肉量が低下するため、「たんぱく質の制限は推奨しない」とはっきり
文献に書いてあります。
しかし、腎臓が悪い子は基本的には低タンパク質の食事を勧められると思います。
わたしの愛犬も少し腎臓が悪いし、だんだん筋肉も落ちてくるし、
で困ったなあ・・と思っていましたが、
腎臓が悪い子(犬も猫も!)にも使えるアミノ酸のサプリメントがあったのです。
患者さんも、うちの愛犬も、毛並みが良くなって明らかに元気になったので
アミンアバストはお勧めです。
難点は・・ちょっと高いんですけどね・・(泣)
もう一点、一度にたくさんの量が食べれないシニア犬は、
高栄養でかつ低脂肪のリキッドを食事と併用するのもよいと思います。
自力で飲めればそのまま食器で、
自力で飲むのが難しければ注射器で口の横から飲ませてあげましょう。
まとめ
実は、美味しく食べて元気でいる秘訣の一つは歯の健康です。
シニアになってから急には難しいのですが
今の歯の状態を少しでも良い状態に保てるように、
少しづつでもよいのでケアをしてあげて下さいね。
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。