こんにちは!
けいです。
最近、病院に定期的に来院される猫ちゃんが
15歳以上は普通、そして20歳を超える子も増えています。
その中には、若々しくてとても20歳に見えない子もいますが、
「病院に定期的に来ている」ということは
何らかの病気を抱えているということ。
そして、その中で一番多い病気は「慢性腎臓病」です。
腎臓は悪くなると治らない病気なのですが、
なぜ20歳を超えて元気でいられるのか・・・
慢性腎臓病は早期発見が大切です!
今回は猫の慢性腎臓病についてのお話です。
この記事をサクッとまとめると
①腎臓の役割
血液をろ過して濃縮し、血中の老廃物を尿として出す
血圧を調節したり、ホルモンを分泌して赤血球を作る
ナトリウムイオンやカリウムイオンなどの調節を行う
②猫の慢性腎臓病の原因と症状
高齢・腎臓の炎症や腫瘍・細菌やウイルス感染などが挙げられるがはっきりした原因は不明
具体的には腎臓の中のネフロン(血液をろ過、濃縮して尿のもとを作る部分)が
どんどん壊れていく病気
血液検査や尿検査で異常が現れた時には、すでに腎機能の7割以上がダメージを受けている
症状:多飲多尿・トイレ以外の粗相が増える・口臭が強くなる・便秘・毛並みが悪くなり痩せるなど
③猫の慢性腎臓病の治療
壊れてしまった腎臓の細胞を完全に元通りにすることはできない
薬(血管拡張剤・経口吸着剤など)や輸液療法、低タンパク食などの食事療法を行い
残った腎臓の機能を大切に使って病気の進行を遅らせるのが目的
早期発見のためには定期的な検査が必要。一番効果的で簡単なのは尿検査
東京大学大学院の宮崎 徹先生によって進められています!
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目次
【30歳も夢じゃない!?】猫の慢性腎臓病の研究について解説します
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腎臓はどんな働きをしているの?
腎臓は血液をろ過して濃縮し、血中の老廃物を尿として出す働きをしています。
また、血圧を調節したり、ホルモンを分泌して赤血球を作ったり、
体調に合わせて、ナトリウムイオンやカリウムイオンなどの調節を行います。
慢性腎臓病ってどんな病気?原因は?
もともと猫は水をたくさん飲む習性ではないので、腎臓にダメージを受けやすいといわれています。
6~7歳以上の猫に多い病気ですが、若い猫にも発症することがあります。
慢性腎臓病の原因
高齢
腎臓の炎症・腫瘍
先天的な腎臓の異常
細菌やウイルス感染症
尿路結石症
などが考えられますが、はっきりした原因は不明です。
もともと猫は水をたくさん飲む習性ではないので、
腎臓にダメージを受けやすいとも言われています。
6~7歳以上の猫に多い病気ですが、若い猫にも発症することがあります。
慢性腎臓病ってどんな病気?
慢性腎臓病は、腎臓の中のネフロン(血液をろ過、濃縮して尿のもとを作る部分)が
どんどん壊れていく病気です。
文献によると、腎組織内の強い活性酸素による酸化障害が
尿細管と間質(腎臓内の糸球体や尿細管をとりまく組織)の
線維化(ざっくりいうと機能しない組織になること)につながると報告されてます。
公益財団法人 日本腎臓財団HPより引用
この病気の怖いところは、血液検査や尿検査で異常が現れた時には、
すでに腎機能の7割以上がダメージを受けていること。
早期発見がとても大切なのです。
水をよく飲む
トイレの回数が多い
トイレ以外での粗相が増えた
口臭がひどくなる
便秘になる
痩せてきて毛並みが悪くなった
猫の慢性腎臓病の治療について
慢性腎臓病は完治しない病気です。
理由は、壊れてしまった細胞を元どおりにすることができないからです。
しかし、お薬や食事の改善などで
残された腎臓の機能を大切に守って、病気の進行を遅らせることができます。
定期的に尿検査や血液検査をしてこの病気を早く見つけることです。
もし、慢性腎臓病になってもしっかり治療をすれば、
猫の生活の質(食べる・排泄する・眠ったり遊んだり(笑)を
維持することができます。
慢性腎臓病の治療
①お薬の服用
血管拡張剤:腎臓の血管を広げて血液のろ過をスムーズにする
高血圧を予防し、腎臓の細胞に負担をかけないようにする
プロスタサイクリン(PGI2)製剤
:血小板の機能を抑える。血管を拡張し、炎症を抑える働きがある
(ラプロス錠)
経口吸着剤:血液中の老廃物を吸着して便として排出させる
カリナール1・カリナール2・カリナールコンボ
その他症状に応じて吐き気止めなど(食欲不振や嘔吐がある場合)
サプリメント:アゾディル
⇒ 血中から腸管内に拡散される窒素老廃物を栄養源として利用する善玉菌のサプリ
⇒特許成分であるアミノ酸混合物を配合した犬猫の腎臓の健康を維持するサプリ
②腎臓病用の食事 高窒素血症を予防するために低タンパク食を与える
(個人的にはタンパク質を制限すると痩せてきたり、毛並みが悪くなるので
食事療法と共にアミンアバストなどのサプリメントの併用がお勧めです)
③輸液療法 静脈点滴や皮下点滴で脱水を補い、循環血液量を増やす。
自宅で行う場合は、皮下に針を刺す練習をして皮下点滴をするのも選択肢の一つ
④新鮮な水をたくさん飲ませる工夫をする
⑤猫が好むトイレを用意して膀胱炎を予防する
症状や慢性腎臓病のステージ、猫ちゃんの性格や経済的なことも考えて
無理なく続けられる方法を選びましょう!
こんな治療方法も・・・
まとめ
慢性腎臓病は早期発見が大切です。
飼い主さんにも猫ちゃんにも
あまり負担がかからず、かつ早期発見に結び付く検査は尿検査だと思います。
正確な検査をするためには、新鮮な尿を取る必要があります。
トイレにペットシーツを裏返して敷いて、溜まった尿を採取する
猫が排尿しているところにおたまや紙皿を差し出す
など色々な方法がありますが、一番楽なのはウロキャッチャーという採尿器です。
最後にリンクを貼っておくのでぜひご活用下さいね。
この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです♪
ウロキャッチャーです。定期的な尿検査におススメです。
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